寒さに負けるな!
最低気温が氷点下となる日も多くなり、越冬中のトロピカルフルーツ達にはいよいよ正念場となりました。本来であれば寒さとは無縁のはずの植物を無理やり冬のある地に引っ張って来て、その上「寒さに負けるな!」というのはちょっと栽培者の横暴が過ぎるでしょうか?せめて「お願いですから何とか耐えて頂けないでしょうか?」くらいの気持ちでいないと、植物の方もヘソを曲げてしまうかもしれません。毎日のように温度データをチェックして夜間の冷え込み具合を確かめています。今のところ、防寒用のミニハウスの中は何とか3℃以上を維持しており、おかげで今シーズンはまだ落伍する株は出ていません。あと二か月、何とか頑張ってくれるよう神頼みの毎日です。
トロピカルフルーツと言っても、さすがに純然たる熱帯果樹を東京で越冬させることは(ちゃんとした温室がない限り)無理なので、亜熱帯果樹が対象です。一口に亜熱帯果樹と言ってもその耐寒性は様々で、中には「東京なら露地でも越冬可能!」という強者もいたりしますが、弊社では「本当に東京で越冬させるんですか?」と言われてしまう程度の耐寒性の果樹をターゲットにしています。そんな現メンバー中の最弱王がパパイヤです。文献には「5℃以上が必要」とか書かれています。それでも「毎日のように3℃まで冷え込んでいるけどどうしよう‥‥」というこちらの心配をよそに、今のところ弱る気配はありません。パパイヤが越冬出来るようなら、現行の防寒用ミニハウスで大半の亜熱帯果樹が問題なく越冬可能のはず!弊社にとってはとても大切な試金石ではあります。
話のついでにパパイヤの水耕栽培についてもちょっとネタバラシです。苗は元々、青パパイヤの露地栽培用に入手したものを分けて頂いたものです。露地栽培では人の背丈以上に生育し秋に青パパイヤを収穫します。一方、水耕栽培した株は、水耕との相性が悪いのか、それとも弊社の管理が悪いのか、50~60cm程度にしか育たないうちに冬になってしまいました(花すら咲きませんでした)。露地栽培の株は越冬出来ずにそのまま枯れるのですが、水耕栽培の株は「ミニサイズ」なので難なく防寒用のミニハウスに収まり、そのまま越冬にチャレンジして今に至っています。もし無事に越冬できたら、今度はバカスカ肥料をやってどこまで大きくなるかチャレンジしようと考えています。